11月 月初の挨拶(^^♪
- 2022年11月4日 update
- カテゴリー:ごあいさつ
今年も残すところ今月を含め2か月を切りました。ホントに一年が「あっ」と言う間に感じられます。
近頃、私の妻が私の保険加入に熱心でして、これまでの保険内容への検討、組み換えを相談してくるのです。新婚当初は保険の話をしましても
「そんな話やだぁ~」とか「なんでそんな話するの!」なんて言っていた妻だったのに、、、💦((~_~!)
私も近頃 ”時のたつ速さ” と ”自分の体の健康” の不安が交差する年齢となって参りました。
昔の話です。あるところに大富豪の男がおりました。その大富豪には三人の妻がおり、、
〇第一夫人:絶世の美人でその大富豪が最も大切にし、寒い時には暖かくし、暑い時には涼しい環境を整えいつもそばにいてあげたのでした。
〇第二夫人:周囲のライバルから勝ち取った女性で、いつも気に掛け他の奥さんと比べては自慢にしておりました。
〇第三夫人:気が向いたときに顔を出し、時折優しい声を掛けてやっていたそうです。
そんなある日、その大富豪が重い病にかかり、自分がもうそう長くはない事をさとったのです。
そこで、第一夫人を呼び「私はそう長くはない。心細い私とどうか共に旅立とうじゃないか」と頼みました。すると
「他の事ならば相談に乗りましたが生きる死ぬのことは別でございます。そこまではご一緒することはできません。」
と断られたのでした。
そこで寂しく、第二夫人を呼び同じお願いをしました。すると
「あれ程大切になされた第一夫人がお断りになられたのです。私が承知するわけには参りません。ご主人様が私を求めて下さったことは
ありがたいですが、そこまで共にすることは出来ません。」と同じように断られました。
そこで、恥を忍んで第三夫人を呼び同じ事を告げました。
「これまでのご主人さまからのご恩は忘れは致しません。出来る限りのことはさせて頂きます。お墓の所まではご一緒致しますが
それ以上はお供することはできません。」
と、やはり同じように断られました。その大富豪は一人寂しく亡くなっていったという事です。
これは、私達の事を譬えたお話しであります。
寂しくこの世を去った大富豪とは私達の事をさします。
第一夫人とは私達の「肉体」の事を指します。
日頃、私達は体をいたわり、少しでも若さや美しさを保とうと惜しまず必死になり、暑さ寒さにも快適さを求めます。
第二夫人とは私達が求めて止まない「金品」「地位」「名誉」の事を指します。
周囲から勝ち取ろうと必死に努め、高価な物・便利な物を手に入れては他人と比べ優越感に浸っているのです。
第三夫人とは私達の家族や友人の事を指します。
自分の都合で近くにいたり、遠くにおいたり、そして時折優しく接しています。
つまり、何物も私達の最期には共にすることはできないという事です。皆、独りで逝かねばならないという事です。
日蓮大聖人も「臨終の事(生死)をまず第一に心得ておく事が肝心である事」を仰られました。
いつ自分がこの世を去らねばならないかは自分でも分かりません。その事を覚悟しておくことは、自分の生き方に覚悟が出来る事なのです。
また、他人と接する時も真剣に向かい合い無駄な時間を過ごす事なく、自分の生き方に真剣になることを教えて下さっています。
ただし、私達の心はいつも共に在ります。その心を鍛える事でしっかりとした支えになります。
日頃からお寺で「南無妙法蓮華経」とお題目を家族や信仰を共にする人たちと一緒に唱えた記憶は必ず自身の勇気と支えになります。
肉体や名誉、地位、金品、、、家族友人に至るまで共に逝くことは出来なくても、信仰に鍛えられた心は私達を支えてくれるという事です。
どうぞ当山の本堂にて共にお題目修行を行いましょう。 合 掌
(朝の奥之院)